第5指MP関節脱臼の整復
2025年05月25日
一昨日5月23日(金)に、小学校3年の娘がプールで背泳ぎをしている時に、壁が近付いていることが分からず右手を壁に強くぶつけてしまったみたいです。
夕方に妻から
「小指が変な方向に向いてしまっているから、脱臼しているんだと思う」
と電話がありました。
妻と娘に院に来てもらって、状況を確認しました。
確かに第5指が変な方向に向いてしまっていました。
自力で小指を閉じよう(外から内へ動かす)と思っても、閉じられないとのこと。
写真付きの方が分かりやすいかなと思ったのですが、もし怖いと感じた(指が変な方向に向いているので)方がいたらごめんなさい。
脱臼のみなのか、剥離骨折を伴う脱臼なのかは、レントゲンを撮っていないので分かりませんでしたが、はっきりしていることは、第5指が外を向いたままで閉じることができない状態ですので、早急に整復(関節を元に戻す)する必要があると感じました。
皆さんは、指の脱臼の整復はどのようにするのかは、ご存じでしょうか?
答えは、関節を長軸方向に根元から引っ張る(引き抜く)
後は戻すだけです。
娘に
「ちょっと痛いよ」
と伝えて、かわいそうでしたが関節をしっかりと引いてもとに戻しました。
整復後は、ちょっと涙目でしたが、なんとか泣かずに堪えてくれました。偉かったです。
整復後にテーピング固定を行いました。
テーピングには、伸縮するテープと伸縮しないテープの2種類があります。
脱臼など強い外傷の場合は、固定力の強い伸縮しないホワイトテープを使います。
娘の場合は第5指が外向きに脱臼しましたので、第4指を添え木代わりにして第4指第5指を一緒に固定します。(Buddy固定と言います)
翌日5月24日(土)に、たつえクリニックの竜江先生に診てもらいました。
たつえクリニックは、当院のすぐ斜め向かいの整形外科です。
院長の竜江哲培先生は、とても優しい先生で、整形外科医としての腕も確かです。
私は、重症のケガや、レントゲンを撮ってもらいたい場合などは、いつも患者さんをたつえクリニックに紹介するようにしています。
紹介状が返ってきて
・現状、きちんと整復されていること
・剥離骨折はなかった(脱臼のみだった)こと
・ホワイトテープによるBuddy固定を2週間続けてほしいこと
・2週間経っても、再脱臼や不安定性が残る場合は再受診してもよいこと
が、書かれていました。
整復後は指を閉じられるようになったのですが、気を抜くとまた外に開いていきます。
これは、脱臼によって関節包が損傷してしまったためと思われます。
なので、再脱臼や不安定を残さないためにも、きちんと2週間固定する必要があります。
脱臼は、関節が抜けてしまうだけではなく、周辺の筋肉や軟部組織(関節包や靭帯)も損傷してしまいます。
娘は今日は、本来チアリーディングの自主練習(バク転、バク宙)の日でしたが、妻と2人で映画を観に出かけて行きました。
いつも週3~4回がんばって運動しているので、たまにはお休みもいいかもです。
↑ホワイトテープで第4指と第5指を固定して、包帯を巻いています。
後遺症がなく、しっかりと治ってもらうように努めたいと思います。