経絡と経穴(俗にいうツボ)の関係 ~なぜ、腰痛で下肢を施術する必要があるのか?~

2024年06月18日

身体には12本(14本)の経絡があります。簡単にいうと、身体の中を流れるエネルギーの流れですね。

東洋医学(鍼灸、整体)では、患部(痛むところ)だけではなく全身を触って施術するのは、この経絡と経穴の関係を利用しているのです。

・肩が凝っているのに、腕を施術する

・腰が痛むのに、下肢を触って施術する

鍼灸や整体をされている方であれば、当たり前のことですが、患者さんからすれば

「痛む場所と離れたところを触るのは、なぜ??」

という疑問が湧いてくるはずです。

 

そういう時に、私は経絡と経穴の話を分かりやすくさせてもらいます。

要点は2つ

①人間は、中枢(脳、脊髄など身体の中心に近い部分)に痛みを感じやすい

②施術のポイントは、実は末梢にある

 

まず患者さんの症状で多いものは、何でしょうか?

「頭痛、肩こり、腰痛」

このような症状は、考えてみれば分かるのですが中枢(脳、脊髄など身体の中心に近い部分)ですよね。

腱鞘炎とかまでいけば別ですが、末梢(上肢・下肢)の痛みは比較的中枢に比べて少ないですよね。

で、肩こりの肩を、腰痛の腰を いくら時間をかけて揉んでも楽にはならないですよね。

その時に考え方のヒントになるのが、経絡と経穴の関係です。

経絡における経穴(俗にいうツボ)の中でも、特に大切な経穴があります。

例えば、原穴(12本の経絡の流れの中でも特に重要な役割を持ちます)は、どこにあると思いますか?

答えは、手と足(末梢)です。

痛みや不快な症状は、中枢で感じます。

それを取り去ろうと中枢ばかりに刺激(施術)しても、大きな変化は望めません。

そういう時に末梢(上肢、下肢)を使いましょう。

経験のある施術者であれば、既に分かっていることと思いますが、末梢に反応(触って痛む・ひびくところ)が出ています。

そういうところが施術のポイントになるんです。

経穴(ツボ)は、皆にある訳ではないんです。

調子が良い人はツボが少ないし、調子が悪い人はツボだらけなんです(笑)

その証拠に子供は凸凹している石の上(青竹踏みでも良いです)でも痛がらずに歩けますが、大人は痛がる人が多いですよね。

健康な方が整体を受けると手が止まることなくサラサラと整体が進みます。

痛みの強い方・不調の方が整体を受けるとところどころ痛みが強いところがあり多くの方が悶絶されます(笑)

 

【話のまとめ】

・施術で、効率良く成果を出すには、痛むところ(中枢)ばかりに着目するのではなく、上肢・下肢(末梢)の状態をよく観察する→おそらく上肢・下肢に異常感がある場合が多い。

・痛むところ以外を施術された場合に、患者さんは「なぜ?」と疑問に思われることがあるので、この「経絡と経穴」の話を分かりやすく教えてあげましょう。

 

最後に

皆さんは、患者様に説明しながら施術をされていますか?

「(経穴を触りながら)ここが硬くつっかえた感じがありますが、分かりますか?」

とか、自分の感じていることを患者様と共有することです。

それが施術を通じて変わってゆく(硬いところや痛いところが変化する)のが、おもしろいんです。

施術は、おもしろいものです。

こちらがおもしろいと思って施術をしていると、患者様も

「不思議ですね」「面白いですね」

と共感していただけると思いますよ。

これからも東洋医学(整体・鍼灸)は、おもしろい!ということを皆さんにどんどん伝えてゆきましょう。

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